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将棋棋士の紹介「中田功」

 

中田功

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経歴

師匠は大山康晴十五世名人、1980年に6級で奨励会に入り、1986年に四段プロデビュー。

 

 

棋風

若いころから振り飛車党で、特に三間飛車を得意にしている。攻めの棋風で穴熊相手にはよく真部流の陣形を愛用していた。現代に入り穴熊対策の新手法「中田功XP」を開発、あの藤井聡太四段にもこの戦法を使った。善戦し惜しくも敗れたがこの戦法の優秀性を知らしめたといえる。

 

 

印象に残った一局

2003年8月25日棋聖戦 中田功六段(当時)VS松尾歩四段(当時)

対戦相手は安定感のある居飛車党の松尾歩四段。対戦成績は当時初手合い。

 

先手松尾歩四段VS後手中田功六段

初手から

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩

▲4八銀△3二飛 ▲2五歩 △3三角

▲6八玉 △4二銀▲7八玉 △6二王

▲7七角

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7七角と上がり持久戦へ。三間飛車側のポイントは7二玉と寄らないこと。

基本的にコーヤン流では8二玉と深く囲わずに端攻めを目指す。

 

△7二銀 ▲8八玉 △5二金 ▲9八香

△7一王▲9九玉 △9四歩▲8八銀

△6四歩 ▲5六歩△7四歩 ▲7九金

△5四歩 ▲5九金 △5三銀

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穴熊に組んで一安心といったところ、しかしぐずぐずしていると端攻めが飛んでくるので攻めを急ぎたい。本譜は金を寄せて守りを固めたが、6八角と引いて攻めを見せ、5七銀、6六銀と活用したかった。

 

▲6九金 △9五歩▲7八金 △7三桂

▲6八角△4五歩 ▲3六歩 △8五桂

▲3七桂 △4二飛▲2四歩 △同 歩

▲5五歩 △同 角 ▲2四飛

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8五桂と飛ばれ居飛車は攻めないと9七桂成りがあるので行くしかなく飛車先は突破できたもののすでに角のにらみと端攻めがセットされており、振り飛車さしやすい。ここから中田流の端攻めを見ていただきたい。

 

△9六歩 ▲同 歩 △4六歩 ▲同歩

△9七歩打▲同 香 △9五歩打▲同歩

△4六角 ▲同 角△同 飛 ▲4七歩打

△7六飛

 

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歩を突き捨て味付けをしていく、あれよあれよと気づけば飛車が捌け急所にいる。

次の9六歩が猛烈に厳しいが適当な受けはない。居飛車は攻め合いに持ち込むしかない。

 

▲7三歩打 △6三銀 ▲2一飛成 △9六歩打

▲4五桂△9七歩成 ▲同 桂 △9六香打

▲5三桂

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居飛車も懸命に食いつくがすでに端は持たず、なんとここから即詰みがある。

 

△9八歩打 ▲8九玉 △9七桂 ▲9八玉

△8九桂成▲9七桂打 △同 香 ▲8九玉

△9八角打 ここで松尾歩四段投了

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以下詰み手順

▲9九玉△8七角成▲9七銀△9八歩打

▲8九玉△7八飛成▲同金△7七桂打

▲同金△9九歩成▲7九玉△6九金で詰み

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館長コメント

将棋界で唯一、ノーマルな三間飛車を指しているのは現状この中田功七段ただ一人です

なぜなのか?そもそもノーマル三間飛車は穴熊に組むのを阻止しにくい(早い動きが苦手、なのでプロアマとはず穴熊に組まれると硬く遠いので一方的に攻められる展開になりやすい。なのでそもそも穴熊に組ませないのが現代の常識です。

それでも中田功七段は穴熊相手に工夫をし、対策され、また工夫をし、それをただ一人でやってきたのです。そんな将棋はプロでも憧れている人がいるほどです。

そんな姿はまさに職人なのではと私は思います。

中田功七段は対穴熊ばかり有名ですが対居飛車急戦での4五歩早仕掛けに後手番でも十分に戦えるのを本で証明したのも非常に大きな功績だと言えるでしょう。