将棋大図書館

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2017年に将棋界で流行った戦法を振り返る

2017年、ソフトの指し方が将棋界にもたらした影響は計り知れません。

特に角換わりの分野はソフトの力で様々な指し方が生まれました。

 今年もあとわずか、2017年に流行った戦法を紹介したいと思います。

 

 

角換わり

角換わりの主流は腰掛銀同型でしたが、近年ソフトの指し方の影響で全く見なくなりました。また現代将棋では相手より先に攻めることが重要視されるので後手でも攻めていける戦法が多く流行りました

45桂急戦

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初めて見た時はこんな仕掛け成立するのかと誰しもが思ったはずです。

ソフトが指し始めて発見され、指され始めた。駒組みも最小限にして桂馬をピョンと跳ね、攻め倒してしまおうというもの。

基本的に4五桂馬が居座れれば先手有利となるので、後手はいかにこの桂馬を対処するのかが大事。

4八金2九飛型

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千田翔太六段が好んで指し始めたのがきっかけで爆発的に流行し、升田幸三賞も受賞した戦法。堅さよりバランスを重視した指し方で桂馬を跳ねた後のスキをカバーしているのが特徴。また後手からも攻めていけるため、角換わりの先手の攻め、後手の受けという図式は大きく変わってきている。

 

矢倉

後手番でも攻めていける矢倉左美濃の流行、増田四段が好んで指し始めた雁木が大流行した年でした。

左美濃急戦

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ソフト発祥の戦法で▲6六歩と矢倉を目指す手が絶滅するかもしれない。それぐらい破壊力がある戦法です。

最近ではこの影響で5手目に▲6六歩ではなく▲7七銀が復活してきている

左美濃急戦の特徴として後手番でも攻めることが可能で玉も堅いのでアマチュア将棋でも流行している。

雁木

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2017年は雁木の年と言っていいでしょう。

増田康宏四段の「矢倉は終わった」という発言は有名。

雁木がなぜここまで流行したのでしょうか、大きく分けて二つの理由があると思います。

一つ目の理由は誘導しやすいということ、角道を止めるだけで先手、後手とはず指すことが出来るのはかなり大きいポイントです。

二つ目のの理由は定跡が整備されておらず、創意工夫をしやすいこと。雁木は未開拓の分野で様々な工夫ができるので好まれる。

この二つが主に雁木が指され流行した理由だと感じます。

振り飛車

 

銀冠穴熊

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ソフト発祥の戦法で、増田四段が好んで指し始めた。安全に穴熊に組みに行くことができる戦法です。6六角がポイントで桂馬の両取りにならず、角道を通したまま穴熊に組みに行くことができる優秀な作戦です。

 

館長コメント

2017年も残りわずかで寂しいものです。今年も将棋会館、将棋倶楽部24でかなりの数を指しましたがやはり雁木が多いです。相雁木になることもよくありました。

またプロの振り飛車党の活躍もあり、ノーマル振り飛車の人気も根強いです。

2017年は雁木、この一言に尽きると思いました。