先手相掛かりの有力作戦
▲６八玉型で主導権を握る
内容と感想
序章 なぜ▲２四歩を保留するのか？
上図からなぜ▲２四歩が減り、▲３八銀が増えたかの解説。
第１章 基本図に至るまで
▲６八玉型の利点や注意すべき点を紹介。また第２章以降の基本図に至るまでの後手からの揺さぶりや攻めへの対応の解説。
上図が本書で解説される基本図になります。
第２章 基本図から△３四歩
出現率的に第３章の手順が一番実践的によく指されていますが、第２章のこの手順も出現率が高いです。
第３章 基本図から△５二玉に▲３六歩
▲８七歩をなるべく打たずに積極的に攻めていく将棋でいわゆる角頭歩保留と呼ばれる形。
第４章で上図から▲３六歩に変えて▲２四歩との比較がされているが、本書ではこの▲３六歩を推奨しており、大部分の解説がこの第３章のページに割いています。
第４章 基本図から△５二玉に▲２四歩
第３章では△５二玉に▲３六歩でしたが変えて▲２四歩の解説。
ページ数は６ページほどと、触れる程度。
第５章 実践解説編
第１局 飯島流▲７七桂での勝利
第２局 難しい中盤を乗り切る
第３局 戦う姿勢が功奏
まとめ
▲５八玉型と▲６八玉型の違い
本書で紹介されている▲６八玉型ともう一つ上図の▲５八玉型があります。
現状、この二つが先手相掛かりの有力作戦でどちらを選ぶかは好みで選んで大丈夫です。
▲５八玉型はTHE王道の相掛かりといった感じで、先手は▲２四歩の合わせや桂跳ねなどを組み合わせて軽快に動いてく将棋です。
▲５八玉型については「本田奎の相掛かり研究」で詳しく解説されています。
▲６八玉型は角頭保留を筆頭に主導権をガンガン取りに行く攻めの将棋で、横歩取り感覚に近い将棋です
著者の飯島七段が相掛かりで勝ちまくっていたり、本書の研究手順がタイトル戦で登場したりなど相掛かり▲６八玉型の優秀性については折り紙付きです。
最新の相掛かり▲６八玉型を解説している本は現状本書しかありませんが内容の濃さも申し分なく、先手相掛かりでガンガン行きたい人に読んでほしい一冊でした。
