受けに特化した次の一手問題集
奨励会時代から王位になるまでを振り返る
内容と感想
問題数は全部で108問。
だいたい受け8割攻め2割ぐらいの割合の問題割合となっています。
攻めの問題も受けた後のカウンターや相手の攻めゴマを攻めるB面攻撃など受けに関連したものとなっています。
参考に比較的簡単だと思った問題
受けしの技6
現状は△3九馬からの詰めろが掛かっており受ける必要があります。
▲6六歩が正解です。
焦点の歩で△同馬なら▲6一龍と攻めて先手勝ち筋です。
参考に難しいと思った問題
受け市の技22
△8六角と王手された局面。合駒をするか、玉を避けるか手の広い局面。
正解は△7八玉です。
感覚として▲6九香を通すことで後手玉に反撃の筋が生じるので、▲7七歩や▲7七銀より玉を避ける手から考えたい。▲5七玉は△3七龍、▲5八玉は△5九角成▲同玉△7七角で右側に逃げるのはダメです。
ということで左に逃げる△7九玉で王手が無くて良さそうですが、△6七桂▲同香△4九龍という妙手順があり負け筋。
桂馬と角に近く考えにくい手ですが△7八玉が正着で、△8七角には▲8八玉でギリギリ耐えています。
まとめ
1996年の新人王戦から載っており、木村一基九段は1997年に四段プロ入りを決めているので、奨励会三段からタイトルの王位を取るまでの将棋が時系列順に載っています。
すべて実際の対局からの抜粋のため、難易度は高め。
焦点の歩や相手の攻めを消す受けなどアマでも分かりやすいものから、そんな手があるのかと単純に驚くものまで受けの好手を存分に堪能できる内容となっています。
木村九段といばギリギリの受けからの一気のカウンターが特徴ですが本書でも同様に木村九段の棋風を学べます。
実践では受け続けていつの間にか逆転負けするのはよくあるパターンの1つで、どこで見切りをつけて反撃するか、そういった感覚を本書でしっかり学べると感じました。