将棋大図書館

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書評「谷川浩司の戦いの絶対感覚」

絶対感覚シリーズ第四弾。

棋士の感覚、戦いの考え方。

光速の寄せの異名を取る谷川浩司自身が解説。

対象者

有段者向け

序盤、中盤、終盤の感覚をより身につけたい方

内容

谷川浩司自身の実践譜から50の局面でそれぞれのテーマ別に次の一手形式で解説。

序盤の絶対感覚

序盤は全部で7のテーマ別に解説。個人的に印象に残ったテーマは作戦勝ちを拡大する工夫です。実際に作戦勝ちを意識する局面があっても具体的に良くするのは難しいと思います。その一つの方針として勉強になりました。

テーマ6 作戦勝ちを拡大する工夫

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上図は後手の飛車角を窮屈な形にし、先手の作戦勝ちです。ここからどのような方針で作戦勝ち拡大するか難しいところです。ひと目▲4六歩からのB面攻撃は以下△4三金▲4五歩△5五歩▲同角△5四銀で後手の攻撃陣が働きだします。本譜は後手の攻撃陣には触らずに▲7七銀から端に狙いをつける手順で後手の無理な動きを誘い優勢を拡大しました。

中盤の絶対感覚

中盤は全部で28のテーマ別に解説。個人的に印象に残ったテーマは終盤への構想でした。中盤から終盤の局面を意識して指すことは読みの力を鍛えるのにも役立ちますし何より大局観を養うことが出来ます。

テーマ34 終盤への構想

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横歩取りの中盤戦で後手が△8六角と打った局面。本書でも難問と書かれており金を逃げるか駒を打って受けるか、そのあとの構想を考えて上での次の一手。本譜では▲6八桂が次の▲8八歩を見せ、相手の攻めを催促する手順で勝ち切った。

終盤の絶対感覚

終盤は全部で15のテーマ別に解説。個人的に印象に残ったテーマは最短距離の寄せでした。終盤で相手玉と自玉の速度計算をすることが大事で相手より一手早く詰ます順を見つけることです。相手玉の急所の駒はどれか、見つけることが大切だと感じました。

テーマ40 最短距離の寄せ

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後手が△6六歩と伸ばした局面、後手からの速い攻めは△6五馬~△7五銀~△6七歩成。それが来る前に攻めていく手を考える。後手陣の急所の駒はこの場合△2一桂、これがいなくなれば3三の地点が弱くなることに注目して▲1三桂が好手で最短の寄せとなる。

まとめ

絶対感覚シリーズ第四弾で最後の本です。序盤のテーマは7つと少なめでその分中盤、終盤のボリュームを重視しているのが分かります。中盤から終盤を見通す構想力や最短の寄せを狙う終盤力など谷川浩司先生の将棋での考え方がたっぷりと書かれており、プロ棋士の読みの深さなど改めてすごいと思いました。

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