将棋大図書館

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書評「全戦法対応 将棋・基本定跡ガイド」

将棋を初めて間もない方におすすめ。

主要戦法を網羅した戦法総合書。

対象者

駒の動き、ルールを覚えたての方。

駒をどうやって進めていいかわからない方。

内容

本書では各戦法ごとに初めに目指すべき形を提示し、そこから一手一手なぜその手が必要なのかを丁寧に解説しながら進める形です。ただ各戦法の特徴については深く書かれていないためここで補助として書いておきます。本とこの記事を読みながら進めると理解が深まると思います。

第1章 矢倉

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矢倉は将棋の純文学と言われており、歴史が深い戦法です。相居飛車(居飛車対居飛車)は激しい将棋が多い中で玉をしっかり囲いじっくりした展開になりやすいのが矢倉戦法です。まずは上図の駒組を目指すところから開設されており、そこから攻め方の解説となります。

特に本書で紹介されている矢倉囲いにしっかり組んで棒銀で攻める将棋は玉の固さと攻撃力を持っており初心者にもっともおすすめできる戦法の一つです。

第2章 角換わり

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序盤に角を交換するのが角換わりです。初めたての時は角を交換すると隙を突かれて撃ち込まれたりするので敬遠しがちですが、5筋の歩を突かないなどのしっかりとした駒組を覚えれば十分指しこなせる戦法です。

第3章 横歩取り

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将棋の戦法の中でもっとも激しく華々しい将棋です。その分ハメ手などあり、研究しないと一気に負けに繋がる厳しさがあります。

第4章 相掛かり

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お互いに飛車先の歩を交換し合う将棋が相掛かりです。横歩取りよりは激しくありませんが攻め合いの展開になりやすいのが特徴です。もう一つ大きな特徴として定跡が深く整備されておらず、自由度が高く構想力が問われる将棋になります。

本書ではシンプルに飛車先を交換後棒銀にする指し方を紹介されています。

第5章 四間飛車

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ここから飛車を横に移動させる振り飛車の紹介です。振り飛車の大きな特徴として、美濃囲いがあります。短手数で組め、駒組中に相手から攻められることもないため、乱戦などが苦手な方は安全にじっくり進めることができます。

振り飛車の中で四間飛車は攻守にバランスが取れており、振り飛車を指したい初心者にうってつけです。

第6章 石田流三間飛車

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石田流は振り飛車の理想形と言われており、組めれば作戦勝ちと言われています。石田流系統の振り飛車は攻める展開が多く、攻めるのが好きな方にお勧めです。

第7章 中飛車

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中央に飛車を持ってくる中飛車は攻撃力が高い戦法です。ただ左金は飛車が邪魔して美濃囲いにしにくいため、玉形は薄くなりがちです。プロアマとはず振り飛車で人気が高い戦法です。

第8章 角交換四間飛車

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自分から角交換し、四間飛車に構える指し方です。二筋から飛車先を逆襲する逆棒銀や、持ち角を使った攻めなどわかりやすく、指しやすいです。

第9章 相振り飛車

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自分が振り飛車で相手も飛車を振ってくる形が相振り飛車です。自分が振る場所、相手が振る場所によって様々な形があります。上図は相振り飛車で最も多い形の三間飛車対向かい飛車です。基本的に角道が開いているほうが動きやすく、主導権を握る展開になります。

まとめ

将棋を初めたけど、どうやって進めていいか分からない、そういった方のためによく考えられて作られています。

戦法でなぜその手指すの?という疑問に対して一手一手すべての手の解説をしており、たとえば初手▲7六歩の角道を開けるのはなぜか?という疑問から丁寧に解説されています。

将棋を初めて壁になるのが、戦法の学習です。この本では一通りの戦法を浅く広く知ることができ、自分の得意戦法を見つけるのに役立ちますし、何より相手がやってくる戦法を分かることは上達するうえで大事なことです。

この本を読むと「お、相手はこの戦法を使ってくるということはここから攻めてきそうだな」と事前に先を読む力も鍛えられます。

将棋を初めて戦法を学ぶ上での足掛かりにおすすめの一冊です。