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相掛かり▲3七桂戦法の定跡

 相掛かり▲3七桂戦法はその名の通り、桂馬を使い速攻で攻めていくのが狙い。

後手は警戒して駒組みしないと速攻で潰されるので注意が必要。

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相掛かり▲3七桂戦法の基本

初手から

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩

▲7八金 △3二金▲2四歩 △同 歩

▲同 飛 △2三歩 ▲2六飛 △7二銀

▲1六歩 △1四歩 ▲3八銀 △3四歩

▲7六歩 △8六歩▲同 歩 △同 飛

▲8七歩 △8四飛(基本図)

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後手は△8四飛型で飛車の横効きで受けるのが実践でも多い指し方。ただ将来の▲6六角などがあり、一長一短です。▲3七桂と単純に跳ねていく戦法だが、昭和60年頃に流行した戦法でもある。

 

▲3六歩 △6四歩▲3七桂

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先手が▲3七桂戦法を明示した局面。まずは▲3七桂戦法の破壊力を見てもらうため、後手が無警戒に駒組みを進めるとどうなるか見ていこう。

 

△6三銀

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△6三銀と上がった手。これには先手から猛攻を仕掛ける手順が成立する。

 

▲3五歩 △同 歩 ▲4五桂

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▲3五歩~4五桂が▲3七桂戦法の基本の攻め筋です。この時、後手の△5三の地点に駒が効いていないのが痛く、これで手になっている。

 

△4二玉▲3三歩 △同 桂 ▲同桂成

△同 金

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△同金と取ったが、△同角だと▲3四桂△4一玉▲3三角成△同金▲6六角で両取りが決まる。本譜は仕方なく△同金と取ったが次の手が決め手。

 

▲3四桂 △同 金▲2二角成 △同 銀

▲6六角(結果図)

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 ▲3四桂と捨てて▲6六角と打つ手が3手一組の好手。結果図は飛車銀両取り、陣形差も大きく先手勝勢。このように無警戒に組んでいると▲3七桂戦法の餌食になった。後手の工夫を見ていこう。

△4二玉

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△6三銀は先手の攻めが決まった。先手の▲3七桂跳ねには△4二玉と先受けしておくのが後手の工夫。同じように▲3五歩△同歩▲4五桂には以下△4四歩▲3三歩△同桂▲同桂成△同角で大丈夫。ここから▲3五歩または▲2四歩から攻める手、▲5八玉と穏やかに指す手の三通りの指し方がある。

激しい攻め合いの▲2四歩

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▲2四歩と打つ手は相掛かりで頻出する手筋で、3四の歩を取り、二歩持っての端攻めが狙い。

 

△同歩▲同飛

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この局面様々な手が考えられる。素直に受ける△2三歩や、△6五歩と飛車効きを通す手など、順番に見ていこう。

 △2三歩

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△2三歩には狙い通り3四の歩を取ります。後手はゆっくりしていると、▲1五歩からの端攻めが飛んでくるので後手も反撃に出ます。

 

▲3四飛 △8八角成 ▲同 銀 △3三歩

▲3五飛 △2八角

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ゆっくりした展開になると後手の歩損が残るので△2八角と反撃する。ここで先手に用意の受けがある。

 

▲1八香 △1九角成▲2七角 △2八馬

▲2五飛(結果図)

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▲1八香~2七角が用意の反撃で馬を捕獲した。以下、先手は▲3五歩~から角の切り捨てから馬の素抜きを狙う。△2七馬と角交換をすれば、そこで▲1五歩から二歩持っての端攻めがある。結果図は先手が指しやすい。

 

△6五歩

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△6五歩と飛車の横効きで受けるのが正着。将来の▲6六角打ちを消しているのも大きい。

 

▲3五歩△2三歩▲2六飛△4二金

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△2三歩打ちのところで▲3四飛と飛車ぶつけを狙うのは、△8八角成▲同銀△4四歩で飛車が捕獲される。▲2六飛に△4二金が定跡の一手で先手からの▲4五桂~7五角を前もって受けた手。ここから手が広いので一例を紹介したい。

 

▲2四歩 △同 歩▲同 飛 △2三歩

▲2二角成 △同 銀 ▲3四飛

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後手の6二金型には隙が多いので再度▲2四歩から飛車交換を挑む手がある。角交換してから▲3四飛が大事な手でここで△4四歩と飛車を捕獲するのは▲5一角が決め手になる。なので飛車交換は必至でここから激しい攻め合いになる。

 

△同 飛▲同 歩 △3六歩 ▲4五桂

△5五角(結果図)

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△5五角と打った局面。先手は▲7一角からさらに攻め合いを目指す手が有力だと思います。研究会では▲8五角という手も昔上がりました。単純に▲4一飛車の一手詰めが受けづらいというもの。結果図はいい勝負だと思います。

攻める▲3五歩

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▲2四歩から攻めていく手の他にもう一つ、▲3五歩から攻めていく手がある。△4二玉型にはあらかじめ五筋に備えられているため、▲4五桂は出来ない。この場合は別の攻め筋で仕掛けていくことになります。

 

△同歩▲1五歩△同歩▲2四歩△同歩

▲同飛

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端も突き捨てて▲2四歩と合わしていく、ここで△2三歩と受けるのは▲3四飛と歩の裏に回り、次の▲1三歩からの端攻めと角交換からの▲6六角打が厳しい。ここから激しい攻め合いとなる。

 

△3六歩 ▲4五桂 △8八角成▲同 銀

△2三歩 ▲3四飛 △8五飛

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後手は△3六歩から先手の攻撃陣を攻めるB面攻撃を徹底的に行い受ける。最終手△8五飛は▲6六角を避けつつ桂取りを見せた好手。

 

▲2二歩 △2六角▲6八玉 △2二銀

▲3六飛 △4四角(結果図)

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▲2二歩に△同銀または△同金と取ると▲5三桂成で攻めが決まる。困ったようだが、△2六角が王手しつつ5三の地点を守る一石二鳥の手。結果図は形勢互角でこれからの将棋。

 

穏やかな▲5八玉

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△4二玉と中央に備える手に対して▲3五歩から攻める手でも十分ですが、▲5八玉と玉形を整備しながら様子を見る手も有力。後手の陣形に隙が出来てから▲3五歩や▲2四歩と仕掛けていくのが狙い。

 

△8八角成

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△8八角成は手損になるが、先手の攻めを緩和しようとした手。この場合は手得を主張してゆっくり指し手十分。ここから仕掛ける筋もあるので紹介したい。

 

▲同 銀 △2二銀▲7七銀 △3三銀

▲3五歩 △同 歩 ▲4五桂 △4四銀

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定跡の一手はここで▲2二歩だが、▲3四角と打ち込んでいく手も有力で以下受けるなら△2四角だが、▲2五歩△1三角▲1五歩で崩壊している。


▲2二歩 △同 金 ▲5三桂成

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▲5三桂成が決め手で、△同銀は▲6六角、△同玉は▲3一角。実践でこんなにうまくいくことは少ないが、攻め筋として覚えておきたい。

△6三銀

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▲5八玉には△6三銀と駒組みを進める手が一番多い指し方。▲5八玉と△6三銀の交換は先手の方が得をしている。ここから▲2四歩から△3四の歩を取りに行くのも面白い。本譜では▲3五歩からの攻め筋を紹介したい。

 

▲3五歩 △同 歩▲1五歩 △同 歩

▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛

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▲5八玉△6三銀の交換が入っているとこの局面で△6三銀が浮き駒のため、先手の手番になると▲1二歩△同香▲2二飛成△同銀▲4五角という銀香両取りの攻め筋が発生している。なので受けるなら△2三歩くらいだが、▲3四飛と回ることに成功する。以下は▲1三歩からの端攻めと角交換からの▲6六角打ちがある。穏やかな▲5八玉だがこのような狙いを秘めているのでかなり有力だと思います。

▲1五歩型

初手から

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩

▲7八金 △3二金▲2四歩 △同 歩

▲同 飛 △2三歩 ▲2六飛 △3四歩

▲1六歩 △7二銀 ▲1五歩

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序盤での▲1六歩の打診に後手が端歩を受けずに指した場合は、すぐに▲1五歩と端を詰める指し方がおすすめです。いつでも▲1四歩△同歩▲1三歩の端攻めの権利を握ることが出来るので既に先手がポイントを上げた形になります。

 

△6四歩 ▲7六歩 △8六歩▲同 歩

△同 飛 ▲8七歩 △8四飛 ▲4八銀

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▲1五歩型の場合▲4八銀が覚えてほしい手。▲3八銀型だと将来端攻めした時に△1五角の王手飛車の筋が生じる変化があるため、もう一手5八玉とする必要がある。また手待ちする場合も▲6九玉~5九金と固めることも出来るので覚えておきたい。

 

△4二玉▲3六歩 △6三銀 ▲3七桂

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▲3七桂で先手は端攻めの準備が整った。後手の受け方は単に5四銀と飛車の横効きで受ける△6五歩があります。順番に見ていきましょう。

△5四銀

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まずは単に△5四銀と出るとどうなるか。これには▲4八銀型の効果で端攻めが決まる。

 

▲3五歩 △同 歩▲1四歩 △同 歩

▲1三歩 △同 香 ▲2五桂

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次に▲1三桂成から▲3四香があるので△4五銀と出たいが、それには以下▲1三桂成△同桂▲2二角成△同銀▲6三角△5四銀▲8五香で飛車が逃げれば▲8一角成がある。後手は指し手が難しいが、△6五歩が最善。

 

△6五歩▲1三桂成 △同 桂 ▲1四香

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ここで▲1四香と走れるのが▲4八銀型の効果で王手飛車がなく、攻めが繋がる形になりました。△1二歩と受けるのは▲1三香成から▲3四桂があります。困ったようだが、△4五銀と飛車効きを通しながら受けるのが粘り強い手。

 

△4五銀 ▲1三香成 △同 角▲3三香

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△4五銀で後手もやれそうだが、▲3三香が決め手になり、先手優勢。以下は一例を紹介したい。

 

△同 金 ▲2五桂△2四角 ▲3三桂成

△同 角▲同角成 △同 玉 ▲6三角

(結果図)

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結果図は先手の攻めが繋がっており、先手勝勢。このように単純に△5四銀と駒組みを進める手は先手の端攻めが炸裂する。後手も工夫が必要なようだ。

△6五歩

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△6五歩が後手の工夫。△6五歩の効果で、▲3五歩△同歩▲1四歩△同歩▲1三歩の時に飛車の横効きが効いており攻めることが出来ない。この場合は玉を固めながら飛車効きが止まるのを待つのが有力で、いずれ後手が手詰まりになる。

 

▲6九玉 △5二金▲5九金 △9四歩

▲9六歩

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後手は△7四歩や指すと飛車効きが止まるため他の手を指したいが、指す手がない。仕方なく△5四銀と上がるくらいだが、そこで先手は端攻めを決行する。

 

△5四銀 ▲1四歩 △同 歩▲1三歩

△同 香 ▲2五桂(結果図)

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ここで▲3五歩の突き捨てを入れないのが先手の工夫でもし入れていると△6三銀と引かれ、飛車効きが通ってしまう。この場合は単に▲2五桂と跳ねて端攻めが決まった。以下は桂香を手に入れて▲2五香や▲1五桂など単純な攻めで十分です。

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館長コメント

相掛かり▲3七桂戦法は先手番の時はよく使っており、単純に桂馬を跳ねるだけだが、なかなか奥が深い戦法で今でも新しい発見があります。

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ちょっと細かい話ですが、横歩取りで横歩を取らずに2六飛と引けば▲2六飛△2三歩▲2七歩△8四飛で相掛かりに誘導できるので先手番での相掛かりへの誘導率を高めることが出来ます。特にもう一つの利点として、この形の相掛かりは後手△8二飛型ではなく、△8四飛型に組んでくることが多く、▲3七桂戦法の破壊力が生きやすいです。