将棋大図書館

将棋を学べ、ゆったりできる。そんなブログを皆さまにお届けしたい。

角換わり▲4八金2九飛型対千日手型

将棋界で大流行している角換わり腰掛け銀▲4八金2九飛型。その中でも後手が千日手を目指す形は強敵です。それに対する先手の対策を一通りまとめました。

角換わりの定跡一覧に戻る

 ▲4八金2九飛型の基本図

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金

▲2五歩 △8五歩▲7七角 △3四歩

▲6八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀

▲7八金 △3三銀 ▲4八銀 △6二銀

▲3六歩 △6四歩▲3七桂 △4二玉

▲4六歩 △6三銀 ▲4七銀 △7四歩

▲2九飛 △1四歩 ▲1六歩 △9四歩

▲9六歩 △7三桂▲6八玉 △8一飛

▲4八金 △6二金 ▲6六歩 △5四銀

▲5六銀

f:id:ShogiLounge:20190910131108p:plain

上図が▲4八金2九飛型における基本図で後手側から様々な指し方があります。

1、千日手を目指す△5二玉~4二玉や△6三銀~5四銀の繰り返し。

2、△6五歩からの先攻

3、△4四歩や△3一玉の自然な進行

今回は1の△5二玉~4二玉の千日手型との攻防を見ていきます。

 千日手型でキーポイントとなるのは先手はどこで仕掛けるかということ、大別して▲6八玉、▲3九玉、▲8八玉の3通りがあり、それぞれを見ていきたい。

 

上手くいかない▲6八玉型

f:id:ShogiLounge:20190911143652p:plain

まずは基本図から△5二玉の手待ちに対して仕掛ける手はどうか見ていきたい。ここでは▲3五歩△同歩▲4五桂と攻めるか、単に▲4五桂と攻めるか二通りの攻め方があるので順番に見ていきたい。

▲3五歩△同歩▲4五桂

▲3五歩 △同 歩 ▲4五桂 △3四銀

▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三金

▲2七飛 △2五歩

f:id:ShogiLounge:20190911144751p:plain

▲4五桂に対しては▲3四銀が最善で他の逃げ場所は▲2四歩から一歩交換後の▲7五歩があり先手十分となります。

後手の方針として先手からの桂跳ねから歩交換を簡単には許さない指し方がこの戦型では大事になります。

途中▲2七飛に変えて▲2九飛だと△2八歩▲同飛△4四歩で桂馬を取った後の△3六桂を見せられて忙しくなります。

 

▲7五歩 △同 歩 ▲7四歩 △4四歩

▲7三歩成 △同 金▲5三桂成 △同 玉

f:id:ShogiLounge:20190911145737p:plain

▲7五歩と突けばここまでほぼ一直線の変化です。ここまで進むと先手の次の手が難しく▲2九飛ぐらいですが、逆に後手から△5五歩、△3六歩、△2六角などが指したい手が多く、後手が指しやすいです。

▲4五桂

f:id:ShogiLounge:20190911151628p:plain

では単に▲4五桂と跳ねるのはどうか、△2二銀と桂取りを見せる手と△4四銀を見ていきましょう。

△2二銀

△2二銀 ▲2四歩 △同 歩

▲同 飛 △4四歩 ▲7五歩

△6三銀

f:id:ShogiLounge:20190911152856p:plain

後手としては最終手△6三銀に変えて△4五歩として桂を取り切れそうだが、その瞬間△5二玉型が祟り▲4四桂打の筋を狙われて以下▲7四歩△3三銀▲2九飛△4六歩▲4五歩で先手有利。本譜の進行以下は▲7四歩△同銀▲5五銀△4五歩▲5六角△8四飛▲3四飛で次の▲6四飛が狙い。いずれも先手が攻めていける展開です。

△4四銀

f:id:ShogiLounge:20190911162054p:plain

▲4五桂には△4四銀が正着で先手が上手くいきません。またこの局面で先手が飛車先の歩交換をせずに▲7九玉や▲5八玉には△3三桂▲同桂△同銀で桂馬をさばいておいて先手の仕掛けが難しいです。

 

▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛△1三角

f:id:ShogiLounge:20190912131833p:plain

△1三角が狙いの反撃で、▲3四飛は△3三歩▲1四飛△2三金で飛車を捕獲して後手有利。△1三角には飛車を引くしかなく▲2九飛か▲2七飛の二通りの指し方があります。

▲2九飛

▲2九飛 △4六角▲4七金 △2八歩

▲4九飛 △2四角

f:id:ShogiLounge:20190912133132p:plain

途中△2八歩と叩くのが急所で▲3九飛か▲4九飛どちらかに逃げますが、上図は4五の桂取りが残り後手有利。仮に桂取りを受けて▲4六歩とすると以下△3三桂▲同桂△同角で次の△2一飛の転換を狙われ先手がまずい。

▲2七飛

▲2七飛 △4六角▲2三角 △同 金

▲同飛成 △4五銀右 ▲同 銀 △同 銀

▲3二龍 △6三玉

f:id:ShogiLounge:20190912133733p:plain

△2八歩打ちを避けて▲2七飛も考えられます。これに対して△4六角と出ると、ここまでほぼ一直線の変化。玉は薄く怖いが駒得と後手から△5六桂などの攻め筋が残り後手が有利な変化です。

先攻重視▲3九玉型

f:id:ShogiLounge:20190912143737p:plain

基本図から△5二玉とした局面で先手が仕掛けるのは上手くいきませんでした。一手待って▲3九玉△4二玉の交換を入れた局面で仕掛けるのはどうか見ていきたい。

この局面で▲3五歩△同歩▲4五桂の突き捨てを入れて仕掛けるのは▲6八玉型で解説した手順で後手がいいので▲4五桂を本線で解説します。▲4五桂に対して△4四銀、△2二銀の二通の指し方があります。

 △4四銀

f:id:ShogiLounge:20190912144935p:plain

上図から▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩と一歩交換がすんなり成功すれば先手満足なので後手も△1三角と反撃していきます。

 

▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △1三角

▲2九飛 △4六角 ▲4七金 △2八歩

▲4九飛 △2四角▲2五歩 △1三角

▲1五歩

f:id:ShogiLounge:20190912145609p:plain

途中▲2九飛ではなく▲2七飛から攻め合いを目指す順は以下△4六角▲2三角で後手玉で金に紐が付いているので△2二歩で後手が優勢になります。

途中▲2五歩に△5二玉型であれば△4二角と引けますがこの場合、△4二玉型で端に逃げるしかなく、▲1五歩と追撃して先手の攻めがつながる形になります。

また▲3九飛、▲4九飛どちらに逃げるか一長一短で、▲4九飛は銀打ちの傷はあるものの飛車を4筋で積極的に使う手を見ています。また上図から△4五銀の清算には▲6三銀打ちから攻め合いを目指せばいい勝負です。

 

 

△2二銀

f:id:ShogiLounge:20190912155528p:plain

主流は△2二銀と引く手でプロの実践でも多い形です。これに対して大別して▲7五歩△同歩▲5三桂成りから攻める桂捨て定跡と▲3五歩から突き捨てて攻める定跡の二通りの攻め筋があります。

桂捨て定跡

f:id:ShogiLounge:20190912155649p:plain

△2二銀と引いて手に▲7五歩△同歩▲5三桂成と攻めた局面。


△5三玉 ▲7四歩 △4四歩

f:id:ShogiLounge:20190912160304p:plain

△4四歩で▲4五銀ぶつけを防いだ上図が桂捨て定跡のテーマ図となります。ここで先手の手が広く様々な指し手があります。ここで▲7三歩成は以下△同金▲6五歩△同歩▲6九飛△4五歩でいい勝負です。ここでは先手の有力策の▲2四歩と▲4五歩をそれぞれ見ていきます。

▲4五歩

f:id:ShogiLounge:20190915145739p:plain

上図から△5五歩打と抑える手も自然な手で銀を引くと△4五歩で後手が一歩得できるので先手は△5五歩打に対しては以下▲7三歩成△同金▲4六桂打△5六歩▲5四桂△同玉で先手は桂損なものの後手の陣形を乱してどうかというところで難しい形勢です。本譜は上図から△同歩の進行を見ていきます。

 

△同 歩 ▲3七角△8四角 ▲7三歩成

△同 角 ▲1五歩 △同 歩 ▲同 香

△同 香 ▲同 角 △5五歩 ▲2六角

△4四桂 ▲6七銀△7四香

f:id:ShogiLounge:20190912164405p:plain

途中の▲3七角は▲7三歩成△同金▲6五桂の狙い。互角の形勢でいい勝負。

▲2四歩

f:id:ShogiLounge:20190915145447p:plain

△4五歩と突く手の他に▲2四歩も有力。

 

△同 歩 ▲同 飛 △2三銀 ▲2九飛

△2四歩▲7三歩成 △同 金 ▲7四歩

△7二金 ▲6五歩

f:id:ShogiLounge:20190915151834p:plain

途中△2四歩▲同飛に△2三歩は▲2五飛と引いておき、△3三銀には▲7五飛△6三桂▲2五飛で先手有利、△3三桂には▲2九飛と引いておき次の▲3五歩の桂頭攻めを狙って先手が指せます。

 

△5五歩▲6六桂 △5六歩 ▲5四桂

△同 玉

f:id:ShogiLounge:20190915152406p:plain

プロの実践の進行では上図から▲6四歩と取りこんで後手に手を渡しましたが△6五桂から攻め合いになり後手が勝ちました。ただ先手側にも変化の余地もあり、上図は要研究テーマの一つだと思います。

▲3五歩突き捨て定跡

f:id:ShogiLounge:20190916121822p:plain

桂捨て定跡では▲7五歩△同歩▲5三桂成と攻めていましたが、本譜の▲3五歩と突き捨てて攻めていくのも有力。まずは▲3五歩に△4四歩と桂を取りに行く手を見ていきます。

 

△4四歩 ▲3四歩 △4五歩 ▲同 銀

△4三銀 ▲6九飛

f:id:ShogiLounge:20190916122815p:plain

上図は先手桂損であるものの陣形を乱しているのと▲7五歩の攻めがあり桂損の元は取れています。後手は△8四飛と浮くぐらいですが▲8八玉と入場しておくくらいで大丈夫。後手の有効手が意外と少なく、後手が何もしなければ五筋を伸ばして▲2六角と設置する手などがあり先手が十分の局面です。

 

f:id:ShogiLounge:20190916123736p:plain

戻って上図から△4四歩から桂を取り切る変化は先手が局面を打開して十分で▲3五歩に△同歩と取るのが自然な手です。

 

△同歩 ▲7五歩 △同 歩 ▲2四歩

△同 歩 ▲同 飛

f:id:ShogiLounge:20190916124059p:plain

上図は次に▲7四歩が見えており後手が忙しい局面です。単に△2三歩の受けには▲2五飛△6三銀▲3五飛△3三歩▲7四歩打△同銀▲5五銀で次の▲6四銀が受けにくいです。

△6三角打と受ける手は以下▲5三桂成 △同 玉 ▲7四歩 △2三銀 ▲7三歩成
△同 金 ▲2九飛と進んで後手の陣形を乱して先手が十分です。

上図では△2三銀と受ける手が有力なので見ていきます。

 

△2三銀 ▲2九飛 △2四歩 ▲7四歩

△4四歩▲7三歩成△同金

f:id:ShogiLounge:20190916140637p:plain

△2三銀と立つとここまでは一直線に進むと思います。ここから▲6五歩と攻める手と▲6二角から攻める手の二通りの指し方を見ていきたい。

▲6五歩

f:id:ShogiLounge:20190916140929p:plain

▲6五歩に仮に△同歩だと▲5三桂成△同玉▲6六歩で△同歩には▲6五桂打、放置すると▲6五銀のぶつけがあります。

 

△4五歩 ▲同 歩 △4四歩 ▲4六桂

△6五銀 ▲同 銀 △同 歩

f:id:ShogiLounge:20190916142637p:plain

プロの実践の進行では▲5五角と打ちましたが、単に▲4四歩と取りこむ手も有力で先手優勢の変化です。また途中△4四歩に▲同歩と手を戻しておく手も先手指せる変化です。後手として変化するなら△4四歩に変えて△7六歩で以下▲同銀なら△8六歩▲同歩△同飛▲8七銀△8一飛▲8六歩△6六桂で攻め合いを目指してどうか。

村山定跡▲6二角

f:id:ShogiLounge:20190916143403p:plain

第45期棋王戦挑戦者決定戦トーナメント▲村山慈明七段vs豊島将之名人戦の進行で現れた手。▲6二角と打つ変化を見ていきたい。

 

△6三金▲5三桂成△同金▲7三歩

f:id:ShogiLounge:20190916144328p:plain

▲5三桂成~▲7三歩が新手筋で村山七段の研究手だと思います。次の▲7二歩成が受けにくく、仮に△7六歩▲6八銀△8六歩と暴れる手には▲7二歩成△8五飛▲8六歩△同飛▲8七歩△8五飛▲6七銀引△3六歩▲6一と△3五飛▲4七桂△3四飛▲7六銀で次に▲3五歩狙って先手有利。

 

△7六歩 ▲6八銀 △7七歩成 ▲同 銀

△7一歩 ▲4七桂

f:id:ShogiLounge:20190916145441p:plain

ここで▲4七桂と控えて桂馬を打つのが好手で次の▲3五桂がかなり受けにくく先手の攻めが繋がる形になりました。仮に▲3五桂△3四銀▲2四飛となった時に△8一の飛車が下段で効いていないのが後手にとってかなり痛いです。

 

△5二玉 ▲5三角成 △同 玉 ▲3五桂

△1二銀 ▲2二歩△5五歩 ▲6七銀 △1三桂

f:id:ShogiLounge:20190916150239p:plain

先手は角を切って狙いの▲3五桂を実現させました。また最終手△1三桂に変えて△2二金と歩を取る手には▲3四金打とし、次の▲4五歩の攻めと▲2四飛と走る手の両狙いがあります。本譜の進行は以下▲2一歩成△同銀▲2四飛と飛車を捌いて先手が優勢となりました。

 

後手先攻▲8八玉型

f:id:ShogiLounge:20190916151402p:plain

後手が待機策を目指して玉の移動を続けてくれるのであれば▲8八玉まで囲った方が強い戦いを起こしやすい。しかしこの瞬間に後手から▲8八玉型が当たりが強いとみて△6五歩と先攻するのが後手の狙いの一つです。

仮にここで後手が△5二玉と手待ちした場合、▲6八玉型と先手の玉の位置以外同型になりますが、同じ仕掛けでも後手が良かった変化も先手が良くなります。

仮に後手が上図から△5二玉と手待ちした場合

▲4五桂 △4四銀▲2四歩 △同 歩

▲同 飛 △1三角 ▲2七飛 △4六角

▲2三角 △同 金 ▲同飛成

f:id:ShogiLounge:20190917164404p:plain

本来であれば▲6八にいる玉が▲8八に移動している計算で明らかに先手のほうが得をしている変化です。このような背景もあり後手が先攻する将棋が多くみられます。

自然な▲6九飛

f:id:ShogiLounge:20190916154945p:plain

▲6九飛と回る手は角換わり▲4八金2九飛型で頻出する手筋の一つです。

 

△6六歩 ▲同 銀 △6五歩 ▲5五銀左

△同 銀 ▲同 銀△4四銀 ▲6三歩

f:id:ShogiLounge:20190917170907p:plain

本来であれば△6六歩の取り込みに▲同飛と形よく取りたいが以下△6五歩▲6九飛△6四角と好位置に設置され先手が打倒に苦労する展開になります。そのため△6六歩には△同銀と取って△6五歩にもやはり銀を引かずに▲5五銀とぶつけて局面を打倒していきます。

上図▲6三歩に変えて単に▲4四銀と取る手もあり、以下△同歩▲7七銀△5四銀▲6四銀で先手は次に▲6三歩~6二銀打ちのようなわかりやすい攻めがあるが、後手も攻め合いを目指してどうか。

 

△7二金 ▲4四銀 △同 歩 △4四銀

▲6三歩 △7二金 ▲4四銀 △同 歩 ▲5五銀

f:id:ShogiLounge:20190917170555p:plain

▲6三歩と打ってから銀交換した局面。ここで▲4五歩と▲5五銀の二通りの指し方があるので順番に見ていきます。

 

▲4五歩

f:id:ShogiLounge:20190917193014p:plain

これに対して△5四銀と打つ手もあり以下△5四銀 ▲2六角 △9五歩 ▲同 歩 △5五角 ▲7七銀△8六歩 ▲同 歩 △7五歩 ▲5六歩 △6四角 ▲4四角の進行で互角の勝負ですが上図から単に△4五歩と取って千日手に持ち込む変化があります。

 

△同 歩 ▲6四銀 △4四銀 ▲5五銀打

△同 銀 ▲同 銀△6六銀 ▲4四銀打

△5五銀 ▲同 銀 △6六銀

f:id:ShogiLounge:20190917194041p:plain

先手としては上図から▲4四銀打と繋げるぐらいだが再度△5五銀▲同銀△6六銀と千日手を目指されて不満。上図から打倒を目指して、▲6四銀には△4六角、▲4四銀には△3三銀▲5五銀△4四銀▲同銀△4四銀で千日手模様でいずれも後手に分がある将棋です。

▲5五銀

f:id:ShogiLounge:20190917195249p:plain

▲4五歩に変えて▲5五銀と打つ変化も見ていきます。後手は先手からの▲4四銀~4五桂のような5筋攻めが来る前に攻めていきたいところ。

 

△4七銀 ▲同 金 △5八角 ▲6八飛

△4七角成 ▲4四銀△8六歩▲同歩

△4三銀 ▲5三銀成 △同 玉 ▲4五桂

f:id:ShogiLounge:20190917201402p:plain

途中△4三銀に変えて△3七馬には▲6二銀打ちで5筋が受けにくく、△5二金には▲6一角、△5四金には▲4五銀、△5二銀には▲7三銀成△同金▲6二歩成があります。上図から難しい将棋でいい勝負ですがプロの実践は後手がすべて勝っており、▲6九飛と回る手ではなく、後述する模様を張る▲同歩の進行の方がプロでも多く指されています。

模様を張る▲同歩

f:id:ShogiLounge:20190916155016p:plain

▲6九飛と回る手もありますが、プロではこちらの方が指されています。

 

 △同 桂▲6六銀 △6四歩 ▲4五歩

f:id:ShogiLounge:20190916154916p:plain

ここまではほぼ定跡化された進行です。ここから△6三銀と引く手△8六歩の一歩交換する手があるので順番に見ていきたい。

 

△6三銀

f:id:ShogiLounge:20190917215324p:plain

△6三銀は▲5五銀ぶつけなどの争点を消した自然な手です。

 

▲4六角△5四歩

f:id:ShogiLounge:20190918130345p:plain

プロの実践では▲7七桂とぶつけて以下△8六歩▲同歩△同飛▲8七金△7七桂成▲同銀△8一飛▲8六飛△5三金で先手玉の形を乱して後手不満のない展開でした。

 

▲6七銀△8六歩▲同歩△同飛

▲8七歩△8一飛▲5六歩△3一玉

▲5五歩

f:id:ShogiLounge:20190918131042p:plain

先手は8筋の歩交換を許したものの▲5五歩から動いていく将棋で一局の将棋。仮に△同歩だと▲2四歩△同銀▲5五角△3三銀▲5四歩でどうか要研究テーマの1つ。

△8六歩

f:id:ShogiLounge:20190919141150p:plain

△8六歩もプロの実践で現れた進行で、またコンピュータ将棋同士の対局でも多く指されています。

 

▲8六歩△同 飛 ▲8七歩 △8一飛

▲4六角△6三金

f:id:ShogiLounge:20190919142256p:plain

△6三金に変えて△6三銀と引く手には▲5五銀左次の▲6六歩や▲6四銀が狙い筋。

 

▲2四歩 △同 銀 ▲5五銀左△同 銀

▲同 角 △5四金▲1一角成 △3三桂

▲6六歩

f:id:ShogiLounge:20190919143102p:plain

▲2四歩に対して△同歩は▲2五歩と合わせておいて先手よし。△3三桂の馬取りに対して平然と▲6六歩とするのが驚愕の手順で前例を調べるとコンピュータ将棋同士の対局でも指されており、難解な将棋で仮に▲6六歩に変えて▲1二馬と逃げると△7五歩▲同歩△6六角のコビン攻めが厳しいです。

▲6六歩に対して△1一飛と馬を取る手には▲6五歩△7五歩▲6四歩で△同金は▲6八香打が△6六角打を消す好手で以下△6五歩▲4六桂で先手が指せる。また▲6五歩に△同歩と手を戻すのも▲4六桂打としておいて後手が何もしなければ▲2六香など

攻め手には困らない展開です。

 

△8六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲同 歩

△1一飛 ▲6五歩△同 金 ▲同 銀

△同 歩

f:id:ShogiLounge:20190919161852p:plain

コンピュータ将棋同士の対局では8筋に空間を開けてから馬を取る手順が指されており、上図以下▲5六香には△8六歩、▲7七銀には△6一飛など、一局の将棋です。

 

角換わりの定跡一覧に戻る

館長コメント

本戦法を指す上でのイメージとしては▲3九玉型は攻め重視、▲8八玉型は受けや模様重視というかんじですね。

角換わり▲4八金2九飛型はプロアマとはず流行しており、定跡の進化も著しく、この記事はあくまでも▲4八金2九飛型指すうえでの基礎に過ぎず、本記事以外にも莫大な変化を含んでいます。

そのため自身の愛用の形を見つけてそれを研究していく楽しみもあります。

f:id:ShogiLounge:20190922170820p:plain

自分の例を示すと、上図がプロで一時期流行した後手番角換わりで端歩を取らせる形でよく採用しています。端歩を取らせる代償に先攻することが目的ですが、真の狙いは先手の研究から外れ自身の土俵に引きずり込むことです。

このように現状の角換わり▲4八金2九飛型は定跡整備されていない様々な形があるので自分に合った形を見つけておけば、誘導率も高くおすすめです。