ノーマル三間飛車と一口に言ってもその派生型はどれも独特で面白いものも沢山あるのです。一度ハマると虜になる、そんなロマン溢れる世界です。
急戦
一般的に三間飛車は急戦に対して強いと言われています。(角頭などを攻めてくる棒銀などに対してすでに三筋に備えているため)また一手の違いで仕掛けが成立したりするので先手番なのか、後手番なのかは初段以上を目指すなら意識した方がいいでしょう。
棒銀
この図でもし後手が四間飛車なら△3二飛と寄る必要があるが、それがない。その一手を好きな手に回せるということ。一手得を生かし軽く指すか、がっちり受け止めるか、様々な指し方があります。
斜め棒銀
4六銀左戦法ともいう。こちらも棒銀同様、三筋に備えているのでやはり三間飛車側に有利な変化が多い。ただ定跡があまり進んでおらず、未解決な部分が多い。
超急戦
この急戦をやってくるのは相当の急戦マニアか三間飛車党が居飛車を持っているかのどちらかだと感じる。
研究会の三間党に三間飛車をぶつけたところ、この超急戦を指され対応の仕方が分からず負けたのを覚えている。
4五歩早仕掛け
4五歩早仕掛けは振り飛車には角交換の格言通りの攻め。具体的に上図から▲4五歩~5五歩と仕掛けていく。
3七桂早仕掛け
三間飛車に対する急戦といえばこれ、急戦の中でもかなり難解だが、三間飛車をさすならかならず覚えておきたい。
3五歩早仕掛け
三筋に備えているからと△3五同歩と取ると悪くなる。正着は4三銀と上がる手、ここからの変化は斜め棒銀と合流することが多い。
三歩突き捨て
先手三間飛車に対して4五歩早仕掛けがあまり有効ではないので、後手で急戦がしたい場合に三間飛車に有効な仕掛け。
2六飛、4六銀型
あまり知られていないが振り飛車全般に対して有効な指し方、ここから▲3五歩から仕掛けていくが定跡はあまり整備されておらず、力戦党が使うイメージがあります。
鳥刺し(嬉野流)
角道を開けずに振り飛車側の捌きを抑え込む戦法、対策を知らないと簡単に押さえ込まれてしまいます。
対右四間飛車
基本的に三間飛車が苦労することは何もなく、右四間の攻めをいなしやすい。
待機策(急戦の陣形で千日手を狙う
4五歩早仕掛けから仕掛けずに後手が千日手を狙う作戦。
持久戦
持久戦では左銀を5七に持っていくか、4七に持っていくかで指し方が大きく変わります。特に対穴熊では自由度が高く様々な対策があります。
真部流
真部一男九段が愛用していた形、ここから▲5五歩から中央制圧、と金作りを目指す。
基本的に三間飛車は玉が薄いので丁寧に受ける技術が必要です。
コーヤン流三間飛車
玉は▲3九で2八には入らない(端攻めの反動軽減)ここからコーヤン流の手順だけを示すと、▲2五桂、▲1三桂成で角が相手玉をにらんでおり、取り方が難しく三間飛車優勢になる。なので居飛車も悠長に金を寄せたりしていると桂馬が飛んでくるのでここから居飛車は攻めていくことになる。
トマホーク
アマ強豪のタップダイス氏が開発した指し方で本も出しています。単純に穴熊に組んでいると術中にはまる。玉が薄いので丁寧な指し方が必要。
一時は奇襲的な扱いであったが、現在はプロ間でも指される本格戦法となった。
三間飛車藤井システム
四間飛車の藤井システムの飛車が一つずれた形で急戦に対して強い。久保九段が指し初めた形で最近では佐藤和俊六段がNHK杯で多用し、準優勝を果たした。
永瀬流端桂
永瀬拓矢七段が四段の頃に得意にしていた穴熊対策。ここから△2五桂と歩を取りながら桂馬を跳ね捌きを狙う。
三間飛車穴熊
居飛車に堅さ負けしないように三間飛車も穴熊に組む指し方。堅さは同じだが、主導権は居飛車側にあるので上手く主張を作り動く必要がある(石田流に組み替えるなど)
対振り居角左美濃
矢倉に対する戦法だが実践で結構指してくる割合が多い気がするので載せました。
▲4五歩には△4二飛と回り受かる。また5三銀型の好形で居飛車も容易に仕掛けられない。
石田流系
石田流のカテゴリに入れるべきか迷ったが当ブログでは、角道を止めて、後から石田流に組み替えるタイプはノーマル三間飛車に分類する。
石田流組み換え
穴熊に組むのを見て石田流に組み替える。捌いて攻め合いというより居飛車側の攻め手を潰していき受ける指し方のため受け将棋の人におすすめです。
楠本式石田流
角を転換し、成りを狙い自陣に引きつけ穴熊かそれ以上の堅さを目指す。
カナケンシステム
穴熊囲いに対して、美濃に囲い速攻を目指す指し方。ここから▲7四歩~6五銀と攻めていく。
館長コメント
個人的に三間飛車はお気に入りでよく研究会の三間党の人にお願いし手ほどきを受けます。たぶんここにある戦法は彼との実践で指したか、教えてもらったものがほとんどです。マイナーな戦法のイメージがあるがアマでの人気はかなり高い。