四間飛車の急所(急戦大全上)
一巻目とは違い急戦定跡をより深く知るための内容。
対象者
級位者...急戦定跡を一通り覚えたら。
段位者...より細かい変化を知るために必読。
内容
本書の前提として下図があります。
先手の居飛車の5七銀と上がった局面。この図を基本図として振り飛車が指す手によって細かく枝分かれしていく。それを本書は体系化し解説する形となります。
第一章 24手目△5四歩
基本図から△5四歩と突く形。これには▲3五歩と突く山田定跡、▲9七角と覗く端角作戦、そして鷺宮定跡の仕掛けがありそれぞれの解説になります。
第二章 24手目△6四歩
基本図から△6四歩と待つ指し方。これにも山田定跡と鷺宮定跡の仕掛けを見ていくが、△5四歩との違いも解説を見ながらしっかり覚えたいです。
第三章 24手目△1二香
△1二香と上がる形。△5四歩や6四歩を省略する指し方。△5四歩や△6四歩との違いや、居飛車からの急戦に対してどのような効果があるか詳しく解説されています。
第四章 24手目△4三銀(斜め棒銀)
△4三銀と上がる形には斜め棒銀、4五歩早仕掛け、棒銀の三つの手段があり、本書では斜め棒銀の解説。4五歩早仕掛けと棒銀は四間飛車の急所3急戦大全下で解説されています。
グッときたポイント
急戦の難しさや取っ付きづらさをうまく解説しています。まず最初に藤井ファイルでその章を大まかに把握でき、そのあとに細かい変化の解説になるので頭に入ってきやすいです。
定跡手順をただ暗記するのではなく、一手一手の意味を解説し、理解しながら読み進みていけます。また局面図も豊富に使っており、将棋盤が無くても見やすいのもグット。
まとめ
一巻目は四間飛車の定跡が幅広く載っていましたが、本書は急戦特化の本です。四間飛車の急所 急戦大全上下を読めばほとんどの急戦に対し、互角以上に戦えると思います。
四間飛車での急戦対策として決定版の本です。