将棋の「定跡」ではなく、将棋の「感覚」を丁寧に解説した逸材な本。
級位者の将棋上達のスピードを飛躍的に上げてくれる本です。
対象者
初心者から級位者までおすすめ出来ます。特にもう少しで初段だけど棋力が伸びない!といった方のもうひと押しとしていい本だと思います。本書には初心者~四段まで対象と書いていますが、段位者には優しすぎます。
内容
第一章 基本方針と形勢判断
第二章 構想について
第三章 歩の下に駒を進める
第四章 駒がぶつかったとき
第五章 位取りについて
第六章 主戦場について
第七章 玉の安全度について
第九章 厚みについて
第十章 スピードについて
第十一章 攻めの継続
第十二章 進展性について
第十三章 陣形について
図については将棋の本では珍しく、カラーで見やすく、初心者に配慮しているのが窺えます。
グッときたポイント
将棋の大切な感覚である「厚み」や「さばき」といった、説明をするのが難しく、曖昧なものを丁寧に解説しているのは高評価です。
実践を参考にしながら何をどのように考えて指せばいいのかといったことが解説されており、今までなんとなく指していた手が意味を持って考えて指すようになれると思います。
まとめ
もともとは海外向けに将棋の感覚を解説する本として出したものを日本語版として加筆したものです。なので難しい用語もなく、スラスラと読んでいけますね。
また個人的なことですが、将棋を教えたりする事が多いので、大局観や方針など曖昧なことを説明するときはこの本に書いてあることをそのまま伝えるようにしています。それだけ分かりやすく書かれています。
将棋でスランプに陥った時、つまずいた時にまさに「上達するヒント」として読んでほしい、そんな本です。