将棋大図書館

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2018年に将棋界で流行った戦法を振り返る

2018年、藤井聡太の活躍やタイトル戦に若手棋士が台頭するなど

今年の将棋界も大いに盛り上がりました。

今年もあとわずか、2018年に流行った戦法を紹介したいと思います。

居飛車編

角換わり

相居飛車の将棋の中では採用率が高く一番人気の戦法といっていいでしょう。プロでは二手目8四歩に対してほとんどが角換わりを選択しています。また近年4八金2九飛型が先手後手問わず大流行しています。

特に後手番ではほぼ100パーセントの確率でこの構えです

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この局面後手の指し手が広く、

1、千日手を目指す△5二玉~4二玉や△6三銀~5四銀の繰り返し。

2、△6五歩からの先攻

3、△4四歩や△3一玉の自然な進行

など後手番ながらやれる変化が多いことや研究しやすいことから今後も根強く指され続けると思います。

 

矢倉

お互いが矢倉にがっちり組む相矢倉はほとんど見なくなり、急戦調の矢倉と雁木がほとんどでした。

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上図のように矢倉を目指す先手に対し、△7三桂とすぐに飛ぶのが特徴で△6五桂からの速攻を隙あらば狙っています。現在の矢倉は先手の受けVS後手の速攻の図式がほとんどです。

 

雁木

流行当初は先手矢倉に対し、後手が雁木に構える形がよく指されていて勝率も高かったのです。先手も工夫を凝らし、相雁木など後手雁木に対抗していましたが下図の形が指され始めて後手雁木への決定版の対策とされています。

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▲4八玉▲5八金の陣形から早繰り銀の速攻を目指すのが急所です。ここから▲3五歩と攻める手や▲7八銀から左美濃にする手など、どれも先手が主導権を握る展開で後手は避けるようになりました。

横歩取り

横歩取りの局数が激減。先手の青野流が強力なことから後手番でもやれる角換わりなどほかの戦型に流れているように思われます。

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相掛かり

相居飛車系の将棋では矢倉や横歩取りの陰に隠れがちでしたが、矢倉が指されなくなり、先手が容易に悪くなる変化が少ないことから相掛かりも多く指されるようになりました。また新しい思想により従来の相掛かりとは違う作戦が多くみられるようになりました。

また力戦調の相掛かりも健在で様々な作戦が入り混じっている印象です。

 

飛車先保留型

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従来の将棋は飛車先交換が常識でしたが、今では大きく変わっています。

現在の飛車先交換をする時は相手の陣形を見て決める場合が多く横歩を取る変化などを残し、飛車先交換はギリギリまで保留する形が多いです。

 

▲6八玉▲3八銀型

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▲6八玉▲3八銀の低い陣形から▲3七桂と跳ねる形が相掛かりで多く見られます。先攻を取れることから先手の採用率が高く流行しています。

 

極限早繰り銀

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佐藤慎一がも出している戦法で野月浩貴なども多用しており、アマチュアでも流行しています。対策として上図のような雁木に組み△7五歩には▲6五歩から反発する指し方がプロ間で指されています。

 

相掛かり7四歩取らせ

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上図から▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲7四飛と7四歩を取らせる作戦。

山崎隆之など一部の力戦党に好んで指されている形で歩得VS手得の勝負になります。

振り飛車編

中飛車

後手番のゴキゲン中飛車の採用率は低いですが、初手▲5六歩から始まる先手中飛車は決定版の対策がいまのところなく、中飛車側をもって十分戦えることから根強く指されている印象です。

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四間飛車

穴熊に組ませる将棋がじわじわと増加傾向にあります。特に端攻めがキーポイントになる将棋が多く、振り飛車が工夫し中盤に端攻めをうまく絡めて快勝する将棋が多く見られました。

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後手は△6四歩を保留することで▲6五歩からの決戦策を緩和している。このように四間飛車側は様々な工夫を凝らし穴熊相手に互角に戦える。

ミレニアムの復活

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従来は藤井システムに対する作戦として流行しましたが、近年トマホークなどに代表される穴熊を狙い撃ちする強襲策に居飛車側が苦戦しており、安全に組めること、端攻めをされず逆に振り飛車穴熊に対して端攻めを行える点など、ほどほどの固さと攻撃力も備えており新たな振り飛車対策として注目されています。

三間飛車

石田流よりも通常の三間飛車が根強く指されている印象。

7八飛戦法

振り飛車党御三家と呼ばれる鈴木大介や久保利明などが7八飛戦法を連採しています。利点は定跡で嵌められる心配もなく、穴熊にも組まれづらいことなど、優秀で新たな振り飛車のエース戦法として期待できます。

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また従来は▲7八飛△8四歩▲7六歩△8五歩▲7七角△3四歩で▲6六歩と指されていましたが、それよりも下図の指し方が優秀です

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▲6六歩と止めるのではなく▲6八銀が形を決めないプロ好みな手です。ここで△7七角成からの攻めは▲同桂△8六歩▲同歩△同飛に▲6五桂の攻めで大丈夫です。

以下は駒組みになりますが、相手の形によって▲6六歩と止める通常の三間飛車と角交換振り飛車の好きなほうを選択できる戦法です。

 

館長コメント

流行った戦法だけでなく印象に残った戦法も載せました。

後手番での戦法が進化しており、先手番が苦労している将棋が多い印象があります。特に現代将棋では先に攻める、主導権をいかに握るかが焦点のように感じます。

戦法の進化も著しく、来年の将棋界もとても楽しみです。